メディアスタジオ竣工記念上映会開催レポ

2016年4月29日(金)、大和ハウス石橋信夫記念ホールで、東京大学情報学環メディアスタジオ竣工記念上映会が開催されました。長編記録映画『表現に力ありや ―「水俣」プロデューサー、語る―』(プロデューサー:桂俊太郎・村山英世 / 監督:井上実・片岡希 / 2016年 / 100分)の完成初披露が行われました。

『水俣―患者さんとその世界―』(土本典昭監督 / 1971年)をはじめ、多くの水俣病のドキュメンタリー映画を製作した映画プロデューサーの高木隆太郎さん。この映画は、高木さんが自主製作・自主上映活動という険しい道のりにどのような思いで取り組んできたのか、その足跡をインタビューと映像でたどった一作です。

この映画はもともと、情報学環の記録映画アーカイブ・プロジェクトから生まれた映画『夢と憂鬱―吉野馨治と岩波映画』(2011年)の監督である桂俊太郎さんが、その第2弾として企画したものでした。しかし撮影の半ばで桂さんが急逝したため、記録映画保存センターがその遺志を受け継いで完成させました。

連休初日にも関わらず、会場には100名以上の方々が来場し、映画の主人公である高木隆太郎さんとそのご家族も駆けつけてくださいました。上映後には、村山プロデューサーと井上監督からの挨拶に加え、高木さん、そして桂さんの奥様からもコメントが寄せられ、場内は温かい拍手に包まれました。

東京大学情報学環メディアスタジオは、ジャーナリストや映像クリエイターを目指す学生のための活動拠点として今年度より運営がスタートします。今後も、研究活動と制作活動をつなぐ新しい取り組みを進めていきます。