レポート:研究上映会「関東大震災から100年―映画『キャメラを持った男たちー関東大震災を撮るー』」

第14回研究上映会 「関東大震災から100年―映画『キャメラを持った男たちー関東大震災を撮るー』」を、2023年6月28日に開催しました。

コロナ禍での中断を経て3年ぶりに再開した今回は、100年前の関東大震災を撮影したキャメラマンを主人公にしたドキュメンタリー映画『キャメラを持った男たちー関東大震災を撮るー』を劇場公開(8月26日よりポレポレ東中野他にて公開)に先駆けて上映しました。本作は第3回研究上映会「関東大震災の記録」を機に企画・構想された作品であり、震災直後に現場に駆けつけた3人のキャメラマンが撮影した映像の「文脈」を、本人の手記や親族の証言、専門家の協力によって時間や場所を特定することで辿っていきます。

『キャメラを持った男たちー関東大震災を撮るー』予告編

上映後トークとして、第1部では出演者でもある国立映画アーカイブ客員研究員のとちぎあきらさんから、進行中の関東大震災映像のデジタルアーカイブ化と本作をつなぐものについて、第2部ではとちぎさんと演出をされた井上実さんから、制作のエピソードや「通りすがりの」キャメラマンたちが撮ったもの・撮らなかったもののメディアとしての意味などについて伺いました。

学生、研究者、映像制作者、メディア関係者など20-80代まで幅広い年齢層の110名の熱心な参加者が集まり、質疑応答も活発でした。「ビジュアルを後世に残そうとしていた先人の思いに触れて感銘を受けた」「記録映画のアーカイブ化は、その映像を通じて映し出されたこと、映し出されなかったことを読み取ることを可能にする文化的歴史的作業だと感じた」といった感想が寄せられました。