DVD/BOOK『岩波映画の1億フレーム』

記録映画アーカイブ・プロジェクトは、2009年のスタート以来、数多くのワークショップを開催し、反響を呼んできました。その活動の成果をまとめた書籍の第1弾『記録映画アーカイブ1 岩波映画の1億フレーム』が、2012年6月、東京大学出版会より刊行されました。

第1巻では、岩波映画のなかから、産業PR映画、科学映画、社会教育映画などを取り上げています。制作者のインタビューや最新の研究成果を交えながら、付属のDVD映像とともに、その実像を多元的に読み解いています。

書籍とDVDがセットになったこの画期的なシリーズを通して、記録映画の保存と活用がさらに進んで行くことを願っています。映画に興味のある方々はもちろんのこと、それらを活用した様々な研究・教育・実践に関心のある方々に幅広くご覧頂きたいと思います。

 

丹羽美之・吉見俊哉編『記録映画アーカイブ1 岩波映画の1億フレーム』
東京大学出版会、ISBN978-4-13-003250-6、
発売日:2012年06月上旬、判型:A5、360頁、税込7770円

目次
序  章 映像で見る戦後日本の科学技術・社会・文化(丹羽美之)
第1部 岩波映画という映像遺産
第1章 僕と岩波映画(羽仁進)
第2章 暁にあうまで(中村秀之)
第3章 ヌーヴェル・ヴァーグとしての岩波映画(筒井武文)
第2部 イメージとしての開発
第4章 『佐久間ダム』と私(小村静夫)
第5章 「ダムをつくる」のか「ダムができる」のか(藤井仁子)
第6章 「開発」を描かない開発映画(町村敬志)
第7章 ダム開発と記録映画(鳥羽耕史)
第3部 岩波映画の理科教室
第8章 岩波の科学教育映画(牧衷)
第9章 現代に生きる岩波科学映画(長谷川智子・櫻井順子)
第10章 映画史の中の岩波科学映画(岡田秀則)
第11章 科学と映像(佐倉統・鈴木香織)
第4部 おかあさんの民主主義
第12章 『村の婦人学級』ができるまで(羽田澄子)
第13章 初めての監督作品『町の政治』(時枝俊江)
第14章 劇映画に見る母のイメージ(斉藤綾子)
第15章 べんきょうするお母さんと占領する他者(吉見俊哉)
座談会 記録映画の保存と活用にむけて(とちぎあきら・藤幡正樹・村山英世・吉見俊哉・丹羽美之)

DVD収録作品
「絵を描く子どもたち」(演出:羽仁進、撮影:小村静夫、1956年、39分)
「佐久間ダム 総集編」(演出:高村武次、撮影:小村静夫ほか、1958年、96分)
「凸レンズ」(指導:中谷宇吉郎、撮影:吉野馨治、1950年、17分)
「たのしい科学 冷蔵庫の話」(演出:富沢昌一、撮影:中山正治、1960年、14分)
「ものの燃える速さ」(演出:榛葉豊明、撮影:関晴夫、1967年、14分)
「力のおよぼしあい」(演出:榛葉豊明、撮影:今野敬一1966年、14分)
「村の婦人学級」(演出:羽田澄子、撮影:小村静夫、1957年、26分)
「町の政治」(演出:時枝俊江、撮影:藤瀬季彦、1957年、31分)