Asia Insightでアジアを見る

こんにちは。今回のフィールドレビューを担当いたします、博士課程の朱です。今回は私が好きなドキュメンタリー番組を紹介したいと思います。NHK WORLD-JAPANで見られるAsia Insightという番組です。

https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/asiainsight/

Asia Insightは基本的にNHK WORLD-JAPANで放送される英語のドキュメンタリー番組ですが、一部の番組は日本語バージョン(アジア・インサイト https://www.nhk.jp/p/ts/DN1RPYLP7J/)もあり、英語放送が終わった後にNHK BS1にて放送されます。

番組は主にアジアの各地域を取材し、それぞれの地域の現状やそこで暮らしている人々の様子を世界に向けて発信しています。番組の一つ大きな特徴は、ある国や地域の全体を俯瞰的な目線で伝えるより、いま起こっている個別の現象やそこで暮らしている民衆の日常、つまりミクロ的な側面に注目したケースが多く、あまり知られていないアジア各地のいまの様子が伝えられています。

最近放送された番組で言うと、パキスタンで大工の仕事に頑張っている女性たちの様子と彼女らが直面している困難を伝える番組(https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/asiainsight/20220812/2022363/)があり、パキスタンの女性たちがいま置かれている不平等な環境が具体的かつわかりやすく提示されました。

また、内容だけではなく、Asia Insightの制作も特徴的です。

日本人のスタッフ(ディレクター)が作るものが多いですが、コロナの前ではすでに現地のディレクターやカメラマンが制作に関わり始め、コロナの流行が始まった後、現地スタッフがより活躍するようになりました。

異なる国籍、文化背景、経歴を持つ制作者が一つのチームになって番組を作ることは容易なことではないですが、このような制作チームの国際化は番組の内容にも影響を与え、特に外国のコンテンツを扱うときに、ステレオタイプな視点を避け、より相互理解を促進できると思います。

また、このように現地スタッフを制作チームに加えることによって、現地のドキュメンタリーを作る人材の育成に役に立つ面もあります。日本のテレビ・ドキュメンタリーの制作はテレビ放送開始してから間もない頃から始まっており、ドキュメンタリー作りのノウハウは蓄積されているといえます。それが日本人制作者と外国人制作者の共同制作によって、まだドキュメンタリーに関するノウハウが蓄積されていない地域の人材の育成を促進することができます。

Asia Insightは、若いディレクターが作るケースが多いですが、視点が鋭く、調査も詳しくなされた非常に優れた番組も多数あります。

また、NHKではなく、ほとんど外部の番組制作プロダクションが制作を担っています。そのため、番組の大きなコンセプトは同じかもしれませんが、個々の番組の作り方や視点はやはり異なる部分が多くあります。つまり、番組の内容から制作プロダクションの個性がよくわかります。ちなみに、私は番組を見ながら、「この番組はたぶんこのプロダクションが作った」と毎回、プロダクション当ての“ゲーム”をやってます。

最後に、Asia Insightはわかりやすい英語で作られているため、英語を勉強するためのツールとしても利用できると思います。

興味のある方はぜひ、NHK WORLD-JAPANのウェブサイトにアクセスしてみてください。Asia Insightは毎週金曜日にオンエアされます。番組によってはオンデマンド配信もあります、だいたい直近の3〜5本の番組はホームページで見られます。