こんにちは。博士課程の森田です。皆さんは、山形国際ドキュメンタリー映画祭(https://www.yidff.jp)を知っていますか?2年に1度、山形市で開催されているアジアで最大規模のドキュメンタリー映画祭です。1989年に始まり、今年でちょうど30周年を迎えます。
なぜこの映画祭が生まれたかというと、地元の人々が市制100年を記念した新しいイベントを模索していた当時、ちょうど山形に移り住んで映画制作をしていた日本を代表するドキュメンタリー映画作家の一人・小川紳介に相談したことがきっかけでした。それ以来、この風変わりな映画祭は多くのファンをつかみ、個性的なスタッフ勢がその継続を支えてきました。
ドキュメンタリーと聞くと、社会問題などについて考える真面目な雰囲気の映画祭なのではないかと想像するかもしれません。しかし、一度でも実際に参加してみれば、そんなイメージは吹き飛んでしまうと思います。たしかに、世界中のさまざまな出来事にかんする作品が紹介されますが、そこで問われるのは常に、それをいかに表現するかという創作の問題であり、スタッフも参加者もとにかく「面白い映像表現」を求めている場なのです。
そのため、山形映画祭で上映される作品群は、いわゆる一般的な「ドキュメンタリー」の枠に収まらないようなものも多く、そうした作品に触れているうちに、そもそも「ドキュメンタリー」とは何なのか?といった哲学的な問いに突き当たることも少なくありません。だからこそ、非常に幅広い映画・映像ファンの方々を惹きつけているのだと思います。
そんな魅力に溢れたこの映画祭で、じつは今年、ある企画を準備しています!まだ詳しいことはお伝えできないのですが、ドキュメンタリーの歴史や表現方法に少しでも興味のある方には、きっと楽しんでいただける企画ですので、みなさんのご参加を心からお待ちしています。ちなみに、今年はこれまで以上に宿が早く埋まってきているようです。詳細スケジュールの発表を待たずとも、とにかく行ってみるというスタンスでまったく損をしない映画祭ですので、ぜひ宿はお早めにお取りください!
(画像はいずれも「ドキュ山LIVE!」より http://www.yidff-live.info/)