コンビニ漫画から見る「因果応報」

今回のフィールドレビューは、修士課程の劉が担当します。授業の関係で、私はこの前初めてコンビニ漫画を一冊購入し、読みました。普段慣れている漫画とかなり雰囲気が違い、なかなか新鮮な経験でした。

私はコンビニへ行くたびに雑誌コーナーへ寄りますが、コンビニ漫画を読んだこと一度もありませんでした。 漫画ジャーナリズムの授業で、コンビニ漫画を扱う回があり、正門前のファミリーマートで『ブラック主婦SP』という一冊を購入しました。店頭に並んでいたコンビニ漫画はテーマが絞っており、闇社会や裏事情など、「週刊誌的」な内容が多い感覚でした。 表紙に短編のタイトルと誇張した女性の姿が映っており、650円で漫画の単行本よりやや高い値段でした。 内容はすべて短編漫画であり、主人公の女性たちは金銭、地位などをあらゆる手段を尽くして求めていますが、その手段のほとんどは違法です。 最終的にその違法行為は常に悪い結果を招き、彼女らは自分の欲望のために代価を支払わなければなれない窮地に追い込められてしまいます。

例えば、「僞態の代償」という話があり、いつもお金で困っている会社員の佐和子は女子高生とデートする中年の男性を見て、お金がなくてカップ麺を食べる毎日を思い出し、高校生のふりをして「パパ活」を始めました。「パパ活」の成功により、彼女はブランド品をたくさん買い、ますます大胆になり、街中でお金持ちを誘惑し始めました。その結果、主人公の佐和子は女子高校生のターゲットを奪ったため、女子高校生のグループに殴られ、そして彼女が稼いだすべてのお金を治療費に当てました。主人公は最後になってついに「悪をしてはいけない」と気づきました。

このストーリーに注目するのは、一冊の漫画の中にもかなり代表的な構成になっているからです。まずは、主人公の佐和子はもともと読者とほぼ変わらない一般女性であり、ただ他のストーリーの主人公と一緒、一般人より欲深く、その欲望のために常人ハズレの道へ歩みました。次に、ストーリーの結末として、主人公は何らかの罰を受けてしまいますが、それは通常、法律による裁きではなく、悪で悪を制するという意味で、かなり「因果応報」の意味合いが含まれています。

「因果応報」を示して読者を楽しませる話ですが、この話では、「悪をしてはいけない」という結論を出すのは多少論理的に十分ではない気がします。インターネットで調べたところ、 思ったよりはるかに人気があり、雑誌は連載され、アマゾンでも販売されています。コンビニという販売ルートを考えると、この漫画の読者は「ブラック主婦」の反対であるごく一般な「ホワイト主婦」であることを想定しているのではないでしょうか。地味で生活してきて、多少お金に困っていますが、決して「悪をしてはいけない」と信じているので、違法なことに手を出さないホワイト主婦、確かに彼女ら向けの雑誌でしたらとても理解しやすい構成です。

コンビニ漫画を見ると、中国の画報誌『点石斎画報』を思い出してしまいます。1884年に創刊された絵入新聞で、中国最早の画報とも呼ばれています。その内容も、時事から怪談、さらに市井のゴシップ話まで及んでいます。特に読者を教化するために、「因果応報」を大いに取り上げています。例えば、ある婦人は食べ物を独占し、義理の母に虫を食わせ、不孝の極まりとして天(神様)に怒らせ、最終的に天から雷撃の罰を下り、その婦人が虫に食べられてしまいました。1世紀前のストーリーでしたが、今度読んだ漫画の構成と似ている部分が見えています。「悪をする人には報いがある」という考えはもしかして、時代を超えて、「悪をしない」善良な一般庶民の最も素朴な願いであるかもしれません。