今回のフィールドレビューは博士課程の松山が、現在行なっている活動のひとつをご紹介させていただきます。
みなさんはMOOCsというのをご存じでしょうか。MOOCsとは、大規模オンライン講座(Massive Open Online Course)の略で、現在、その新しい学習の在り方が注目されています。一定の期間、インターネット上で大学の講義を受け、課題を解き、評価されることで修了証がもらえるというシステムになっています。最近、日本国内では、gaccoが開設したことでも知られています。
2014年、東京大学ではハーバード大学やMITと連携して、新しくedXと呼ばれるオンライン講座に参加することを発表しました。そのなかで、2014年秋より、情報学環の吉見俊哉教授による講義”Visualzing Postwar Tokyo”が、東大の第1弾として配信をスタートします。この講義の経緯については、こちらなどでもすでに紹介されていますのでご参照ください。執筆中の博士論文のテーマと深く重なることもあり、私はこの講座に補助として加わっています。
発表以上の詳しい内容についてはまだ明かせませんが、この講義では、(1)世界に東京という巨大都市の戦後史を提示すること、(2)そのために膨大なヴィジュアル資料を用いること、(3)東京が誰を、あるいは誰が東京を「まなざし」ているかという視点で問うこと、が大きな特徴となっています。
現在、作業していくうえで、何と言っても個々の資料における「著作権」という大きな壁が立ちはだかっておりますが、この講義が成功したあかつきには、映像教育における新たな地平が開かれることは間違いないと思います。そして、何よりも、東京の戦後史が「映像や写真」という視覚メディアによって、再構築されるのではないかと感じています。2020年の東京オリンピック開催に向けて、東京の歴史が塗り替えられていく瞬間を、ぜひご期待ください。