ドキュメンタリー上映会を開催しました!

第1回目のフィールドレビュー、担当は修士課程1年の瀬尾華子です。今回は、丹羽研究室に所属しているなら必修ともいえる「メディア研究」という授業と、その一環で行われた学生作ドキュメンタリー上映会についてご紹介したいと思います。

2011年度のメディア研究では、「東京3.11の記録」プロジェクトと銘打ってドキュメンタリー制作を行いました。大学院生だけでなく、情報学環の教育部に所属する研究生の方々も参加したこの授業は、他のどんな授業よりも活発に、そして実践的に行われました。

私たち学生は6つの班にわかれ、それぞれ首都圏への震災の影響をテーマに、企画から撮影、編集を実質2ヶ月半という短期間で行いました。私の班が取り上げたのは “おさかなポスト”。震災以前から多摩川への外来魚の放流を防ぐ目的で設置されていたおさかなポストは、その存在の希有さから新聞などに取り上げられていて、震災の影響で預けられる魚やカメの数が急激に増えた後も、その変化は世間の注目を集めました。しかし、その裏側には、大手メディアが取り上げることのない関係者のたゆまぬ努力があったのです・・・。私たちはここに焦点を当てて、震災の中にも変わらずにいようとする人々の姿を描き出し、『魚たちの被災地』という作品を完成させました。

ときれいにまとめてみましたが実際はかなり大変で、授業の合間にミーティングを行い、撮影に行き編集を重ね、あーだこーだ言い合いをしながら紆余曲折を経て、映像のテーマ性も改変しながらやっとのことで7分のドキュメンタリーに仕上げた・・・という感じです(笑)おさかなポストに張り付いて、カメを預けにやってきたご夫婦を撮影させて頂けた時は少し感動でしたね。炎天下での張り付き取材によるおさかなポスト焼けもなんとか報われた気分でした!

どの班も苦労して映像作品を作ったようで、その成果は最終的に学内のドキュメンタリー上映会という形で、7月26日にお披露目されました。それぞれの作品が個性的で、上映会は非常に刺激的なものになりました。なかでも私が個人的に興味深かったのは『原発と向き合う』で、東京都国立市での原発反対デモに関する作品でした。私、修士論文で原発の表象が研究領域に含まれるものですから・・・。住民運動に熱心な国立市民らしさあふれる登場人物が見所だと制作者が言っておりましたが、確かに原発問題に積極的に発言する市民の皆さんには感服致しました。また、視点を変えれば学生作のドキュメンタリーだったからこそ、そのようなインタビューが可能になったとも言えるのかもしれません。以下は、学生たちが作った作品のタイトルです。

メディア研究 ドキュメンタリー上映会 プログラム
1班 『蘇る写真、そして記憶〜津波にのまれた思い出の復興〜』
2班 『わたしたちはマンガを運んでいる』
3班 『魚たちの被災地』
4班 『町の銭湯が消える〜文京区根津の震災〜』
5班 『シューカツ震災3.11〜とある就活生の場合〜』
6班 『原発と向き合う』

これらの授業で制作したドキュメンタリーは、「地方の時代」映像祭に出品を予定しています。賞が獲れるなんて期待はしておりませんが、作った作品を一般に公開しようと努力することも映像制作をする上で重要なことなので、色んな方に見て頂けるこの映像祭はまたとない良い機会となりそうですね。

それでは今回はこのあたりで。次回のフィールドレビューは8月半ばを予定しております。修士課程1年の伊東さんが担当します。乞うご期待です!