こんにちは!博士課程の柳です。つい昨日まで「ハッピーハロウィーン!🎃」だった街が、11月1日になった瞬間一斉にホリデー装飾へと変わる様子に改めて驚いています。
先日、渋谷を訪れた際、渋谷駅前ハチ公広場で次のような広告をみかけました。「今しか見られない限定広告だから写真撮っとこ!」と思ってすぐ撮ったのですが、そういえばここ数年で渋谷ハロウィーンもずいぶん変わったなぁと思い、今回のフィールドレビューでは、駅前広告からみる渋谷ハロウィーンについてまとめてみたいと思いました。
渋谷ハロウィーンがいつ始まったのかについて明記された記録はありませんが、2000年代後半から盛り上がりを見せ始め、多くのメディアが取り上げたことで「ハロウィーンには渋谷」というイメージが浸透していきました。渋谷ハロウィーンの大きな特徴で「主催者がいない」というのもとても興味深いポイントです。
しかし、その後、年々増加するようになった事故や雑踏事故など安全面への懸念から自粛ムードが生まれ、特に2020年のコロナ禍以降は一気にイベントの縮小化が進みます。また、2015年に長谷部健さんが渋谷区長に就任してから、渋谷区も渋谷ハロウィーンの対策に積極的に乗り出し、2019年には渋谷駅周辺のトラブル防止のための条例(正式名称:渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例)まで制定されます。
それと同じタイミングで、渋谷駅前ハチ公広場に渋谷ハロウィーンの啓発広告が登場するようになるのも2019年。2019年には「マナーを守りながら渋谷でハロウィーンを楽しみましょう」のメッセージだったことが、2020年からはコロナ禍を経て外出自粛を促すより厳しいメッセージへと変化。本格的なコロナ禍明けと言われる2023年からはついに「渋谷でハロウィーンはありません」という最も強いメッセージに変化していきます。
このように、2019年から渋谷区が掲出している渋谷ハロウィーンの啓発広告ですが、2022年には東京コピーライターズクラブ(以下、TCC)の60周年イベントの一環として実施、大きな話題を呼びました。2023年にもTCC会員が手掛けています。いずれもこちらのリンクから2022年と2023年の広告に込められたメッセージを詳しく確認できますのでご興味ある方はぜひ。
「今年はどのような広告が出るのだろうか」と今や一種の風物詩になっている渋谷ハロウィーン駅前広告。渋谷にもうハロウィーンはないとのことですが、渋谷はこれからもいろんなひとが安全に楽しめる街でいてほしいと思います。