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宮城メディア調査の報告(第4日目)

作者: Ito Shuji | 2011年9月26日Posted in: 東日本大震災とメディア

仙台市内取材の2日目(14日)は、いずれも市の繁華街近くに局舎を構えるFNN(フジテレビ)系列の仙台放送と、NHK仙台放送局を訪問しました。この2局は、同じ通り沿いの至近距離にあります。

最初に訪ねた仙台放送は、2004年から現在の場所で放送を行っています。実は震災のわずか1週間ほど前、仙台放送では昨年3月に南米チリ沿岸を襲った大津波の被害についてまとめ、東北への大津波襲来の可能性を伝える特番を放送していたとのことでした。しかしその警告はほとんど伝わっていなかったのではないか、という反省が残ったというお話に、災害報道・減災報道の難しさを見せつけられた思いがしました。

次に訪ねたNHK仙台放送局は、『被災地からの声』などの番組で被災者の生のメッセージを伝え続けていますが、最近では「私たち(被災者)を忘れないでほしい」という声もあるというお話に、時間の経過とともに被災地と非被災地との間の温度差が広がりつつあることを突き付けられるような思いがしました。ちなみに、建設から半世紀が経った仙台放送局の局舎は老朽化が激しく、震災の影響もあって数年後には新しい局舎への移転が決定しているとのことです。

印象的だったのは、どの局でお話を伺っても、「被災者に寄り添った放送をしていきたい」という思いがとても強い一方、復興に向けて立ち上がろうとする人々とまだまだ立ち直れずにいる人々とがいる、被災地社会の二面性にどのように向きあうべきかという苦悩もまた強かったことでした。1日目、2日目に訪ねた臨時災害FMとは違い、一挙に何十万、何百万という人々に向けて情報を発信するマス・メディアであるテレビであるからこそ、この問題は重くのしかかっているように思われました。

今回の調査で現場スタッフの方々から伺った震災当時のエピソードの数々は、どれも「明日は我が身」と捉えるべきものであると感じました。「東日本大震災とメディア」という枠の中に留まるものではない、今後につながる問題が数多く横たわっていることを痛感した4日間でした。改めて、取材にご協力頂いた皆様に厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

仙台放送公式サイト   http://www.ox-tv.co.jp/

NHK仙台放送局公式サイト   http://www.nhk.or.jp/sendai/