BOOK『メディアが震えた』

「東日本大震災とメディア」研究会(代表:丹羽美之)は、2011年から2年間にわたり、東日本大震災報道の検証に取り組んできました。その活動の成果をまとめた書籍『メディアが震えた テレビ・ラジオと東日本大震災』が、2013年5月、東京大学出版会より刊行されました。

未曾有の複合災害であった東日本大震災はジャーナリズム・マスメディアにも多大なる影響・被害を及ぼしました。テレビ・ラジオは大震災をどう取材・報道したのか。その課題や問題点はどのようなものだったのか。マスメディア研究者と報道関係者が、独自の調査と実体験から明らかにしています。

本書は、臨時災害FMから海外メディアまで、ニュースからドキュメンタリーまで、震災報道を多角的に論じています。東日本大震災や福島原発事故に関心のある方々はもちろんのこと、マスメディアやジャーナリズムに興味のある方々に幅広くご覧頂きたいと思います。

丹羽美之・藤田真文編『メディアが震えた テレビ・ラジオと東日本大震災』
東京大学出版会、ISBN978-4-13-053019-4
発売日:2013年05月下旬、判型:四六、400頁、税込3570円

目次
はじめに(丹羽美之/藤田真文)
第1部 大震災とテレビ
第1章 東日本大震災を私たちはどう伝えたか(加藤昌宏)
第2章 ローカルテレビと東日本大震災(藤田真文)
第3章 テレビが描いた震災地図(松山秀明)
コラム 東日本大震災の教訓 キー局の震災報道を振り返って(谷原和憲)
第2部 大震災とラジオ
第4章 ローカルラジオの使命とその検証(姉帯俊之)
第5章 地域住民が立ち上げたラジオ局(高橋厚)
第6章 東日本大震災と臨時災害放送局(市村元)
コラム 首都圏の震災報道を担うのは誰か (伊東秀爾)
第3部 原発事故報道
第7章 原発事故を私たちはどう伝えたか(佐藤 崇)
第8章 原子力とテレビ・ジャーナリズムの戦後史(烏谷昌幸)
第9章 事故報道としての「福島」、政治報道としての「Fukushima」(林香里/鄭佳月)
コラム 風化する原発震災(瀬尾華子)
終 章 東日本大震災を記憶する(丹羽美之)