博士課程の瀬尾華子です。少し前のことになりますが、7月にドイツのボン大学(ライン・フリードリヒ・ヴィルヘルム大学ボン)で開催された研究会に招聘され、研究発表を行ってきたので、そのレポートをしたいと思います。
私がボン大学の研究会に参加したのは、早稲田大学教育・総合科学学術院教授の伊藤守先生がボン大学で在外研究をなさっており、伊藤先生を通して研究発表のお誘いを頂いたからです。伊藤先生には丹羽研究室が主催しているNNNドキュメント共同研究にご参加いただいており、私たち学生は普段から伊藤先生にご指導をいただいています。
ボン大学で開かれた研究会は「現在の日本文化を考える」というテーマで、ボン大学日本・韓国研究専攻のラインハルト・ツェルナー先生のもと月1回開催なさっていたそうです(現在は終了)。ツェルナー先生は、歴史学がご専門で、著書に『東アジアの歴史 その構築』(2009年、明石書店)などがあります。
私は、伊藤先生と共同で「原発とPR映画、そしてポスト福島」というタイトルで発表しました。ドイツは環境先進国と言われていますが、2011年3月の福島第一原子力発電所事故が起きたあとに、国内の脱原発の機運が高まっていきました。世界的に影響を与えたあの原発事故から日本の原発導入期を振り返りつつ、そこにメディアがどのように関わったのかということについて発表を行いました。
ツェルナー先生をはじめ、参加して下さったボン大学の教員の方々からは研究に関するアドバイスをいただき、また日本の原子力問題についての情報交換なども行うことができて、非常に充実した研究会となりました。
下の写真は、ボン大学の美しい黄色い校舎です。大学の建物はボン市内に点在しており、市と大学が一体となってライン川沿いに学生街を形成しています。7月のドイツは気候が清々しく過ごしやすいため、またこの時期に再訪したいという思いを強くいたしました。