中国のネット流行語について

今回のフィールドレビューは研究生の盧が担当させていただきます。数日前、日本経済新聞の中文塾というコラムに中国ネット生まれの四字熟語が紹介されました。さらに、去年のNEWS ZEROという番組でも中国流行語大賞について短いコーナーが設けられました。ちょっとおもしろいと思ったので、今回は2013年中国ネット流行語についてすこし紹介したいと思います。

NEWS ZEROでは「土豪」、「女漢子」と「囧」という3つのワードを取り上げて、簡単な説明をしましたが、現在ではすでに、いくつかの言葉で意味の変化が起きているようです。番組の解説によると、「土豪」という言葉は成り上がりの田舎くさいお金持ち、日本語の「成金」と同じ意味であるということでした。この単語はもともと軽蔑感がある言葉でしたが、使われているうちに近年は単にお金持ちを意味するようになってきました。それだけではなくて、「土豪、友達になってください」という表現もよく使われて、お金持ちに対する憧れを表しています。

次にいくつかの四字熟語と三字熟語を例として、紹介します。

人艱不拆(レン ジェン ブ チャイ):「人生已如此艱難,有些事情就不要拆穿(人生はこんなに厳しいものだから真相を暴露しないで)(Some lies are better not to be exposed, as life is already so hard.)」の略。この略語の出所はある台湾の歌手の歌。信じられない真実に対するとき、悲嘆の言葉としてよく使われています。

不明覚厲(ブ ミン ジェウ リ):「雖然不明白在説什麼但是覚得很厲害的樣子(何を言っているのかわからないですけど、すごくすごいみたい)(I don’t quite get it, but I think you are really terrific.)」の略。コンテキストによって、意味は違ってきます。一つは玄人に対して素人が崇拝するということ、もう一つは可笑しいことを聞いたとき、揶揄するということです。

不約而同(ブ ユエ エ トン):この熟語は本来、「行動や意見が期せずして一致すること」を意味していましたが、ネットで今の最新の意味は「長い間に異性と付き合わずゲイ(同性愛)になる」ことだそうです。

高大上(ガオ ダ シャン):「高端大气上档次(高尚、雅量、豪華贅沢)」の略。ポジティブな言葉ですが、時々諷刺として使われることもあります。

何棄療(ヘ チ リョウ):「為何放棄治療(何故治療を諦める)」の略。意味は不明覚厲の2番目と同じですが、より過激な言い方です。

人干事(レン ガン シ):「這是人干的事嗎(これは人間がやること?!)」の略。ツッコミとして使ってもいいし、感心した後称賛として使うこともできます。ネットでよく見られる使い方は、ドラマやアニメには物語が展開最中で、エピソードが終わってしまったときに、ネットユーザーたちが「人干事」を言って、ツッコミします。

これらのネット生まれの流行語はネットだけで使われているではなく、最近の新聞と雑誌も使われ始めています。ネット流行語は情報爆発時代のデリバティブとして、短命なネイチャーを持っていると言えるでしょう。

突然生まれて、短い期間に大量に使われた後、突然消えて、ネットユーザーに捨てられていきます。このようなパターンが進むとともに、既に私達の文化はいつの間にか影響を受けています。この影響は良い影響なのか、悪い影響なのか、人によって様々な意見が出るでしょう。私は今まだ一体どんな影響だろうが断言できないと思います。

言葉が短くなっている現象は、私達の生活のリズムが速くなっている反映ではないでしょうか。これからも社会が進歩しながら、色々な新しい流行語が生まれるでしょう。