「東日本大震災とメディア研究会」は、2011年9月11日から14日にかけて宮城県を訪問し、被災地のメディア関係者にインタビュー調査を行いました。藤田真文(法政大学)、丹羽美之(東京大学)両先生に同行した院生が、調査の様子をリポートします。
震災からちょうど6ヶ月目にあたる9月11日は、臨時災害FMの「りんごラジオ」と「FMあおぞら」に伺いました。りんごラジオは宮城県最南部、福島県に隣接する山元町の町役場にあります。プレハブ小屋が役場の一角に建てられ、その中にはラジオ放送のための機材一式が揃っていました。取材させて頂いた代表の高橋厚さんによると、立ち上げ当初は以前から交流のあった新潟の「FMながおか」から届けてもらった臨時の機材を使っていたそうです。震災に直面し、即座に対応した住民の方の底力を感じました。高橋さんがインタビューの最後におっしゃった「災害FMとしての情報が少なくなったときの存続の仕方」についてのお話が、非常に興味深かったです。
震災から半年を迎えたその日、FMあおぞらも放送を続けていました。こちらは山元町の隣にある亘理町の役場に設置されており、ラジオのパーソナリティなど経験したことのなかった女性2人、吉田圭さんと西垣裕子さんが主要スタッフとなって活動されていました。取材の最中に、ラジオを聞いていたらしい住民のおじいさんが自転車で訪ねてきて、聞き逃した地域情報の確認をして帰っていきました。その場面を見て私は、FMあおぞらは地元の方と距離が近いのだなぁということを感じました。
りんごラジオでの取材では、放送の最中に行われた、半年としての節目の黙祷に立ち会わせて頂き、山元町の斎藤俊夫町長にもご挨拶させて頂きました。また、調査を急遽行えることになり、放送中に乱入してしまったFMあおぞらのスタッフのお2人も、快くインタビューを受けて下さいました。両局のみなさま、調査にご協力頂きありがとうございました。
りんごラジオ公式サイト http://ringo-radio.cocolog-nifty.com/
FMあおぞら公式サイト http://www.town.watari.miyagi.jp/index.cfm/22,0,126,html