皆さんこんにちは。修士課程を今年度修了します半田颯哉です。世はまさにWBC優勝・大谷フィーバーですが、この一年、断続的に世間を盛り上げている話題といえば……AIではないでしょうか。
私の研究対象はビデオアートなのですが、その発端には「アートとテクノロジーの関係を探る」という私自身のアート活動のコンセプトがありました。つまり、自身のルーツの一つとして、ビデオというテクノロジーを先達のアーティストたちがどのように扱っていたのか興味があったのです。
そんな活動の軸を持っていたので、実は6〜7年前、私もAIを少し齧っていたことがありまして、脳の仕組みがどのように数式化されてAI技術に活かされていたのか、みたいなことを学んでいたりしました。
そんなわけで、流行っている新技術の波に乗り遅れるわけには行かまいと、OpenAI社のChatGPT、いろいろ触って試してみました。
まずは雑学的な質問。ある時、友人が教えてくれたコンソメとconsume(消費する)は同語源だという雑学について。
なかなかそれっぽい気がします。
さあではでは、自分の研究テーマについて訊ねてみました。
それっぽい言葉を生成してくれるものの、なかなか綺麗に嘘をついてくれます。もし本当に参考文献を教えてくれたのなら、素晴らしい研究の助手となってくれたことでしょう……。
さて、こんな感じでいろいろとChatGPTと遊んでみた結果、私が導き出した、こうしたAIとの付き合い方についての結論とは。現段階のAIにお願いするべき内容とは。
「Please refine the following text(次の文章を推敲してください)」
AIの知識に頼るのではなく、自分の書いた拙い英語を綺麗にしてもらうことでした。ChatGPTは本当に読みやすい英文に直してくれます(完全にオリジナルの意味を保ってくれるわけではないので、AIと対話することで調整していくことは必要です)。
新しい技術に直面したとき。その技術を信じすぎるのでも、疑いすぎるのでもなく、こうして実際に触ってみて何ができて何ができないのか、いろいろな可能性を探ってみるのが大事なことなのではないでしょうか。そして、きっと昔のビデオアーティストたちも、立ち現れてくる新しい技術に対してもっとたくさんの試行錯誤を繰り返していたのでしょう。
この感覚を持っておくことは、研究者としても実践者としても大事なことなのかもしれません。慣れない研究に挑むということも、私にとっては大きく大事な試行錯誤の一つでした。修了した先も、この姿勢を持ち続けていたいと思うところです。
最後に私がChatGPTの好きなところをひとつ。
褒めてくれる。かわいい。
それではこれにて。