6月
15

BOOK『日本のテレビ・ドキュメンタリー』

作者: Niwa Yoshiyuki | 2020年6月15日Posted in: イベント・お知らせ

丹羽美之『日本のテレビ・ドキュメンタリー』が2020年6月、東京大学出版会より刊行されました。

『日本の素顔』を作った吉田直哉から、現在では映画監督として活躍する是枝裕和まで、テレビの制作者たちはどのように時代と格闘し、戦後日本を記録してきたのか。新たな表現に挑戦し、テレビの可能性を切り開いてきたのか。

本書は、戦後日本を記録した代表的なドキュメンタリー番組を中心に、その歴史をたどります。様々なテレビアーカイブを探索しながら、私がこれまで本や雑誌に発表してきたドキュメンタリー番組に関する論考をまとめました。

装丁は間村俊一さん。光の当たり方で印象が変わる凹凸感のあるカバー紙、銀箔押しのタイトル、という手触り感のある工芸品のような一冊に仕上げてくれました。帯には映画監督の吉田喜重さん、作家の桐野夏生さんが素敵なコメントを寄せてくれました。

ドキュメンタリーに興味がある読者はもちろんのこと、テレビや戦後日本、ジャーナリズムや映像文化、アーカイブに関心のある方々にも幅広く手にとっていただきたい一冊です。ぜひ多くの方々にご覧いただければ幸いです。

丹羽美之『日本のテレビ・ドキュメンタリー』
東京大学出版会、ISBN978-4-13-050201-6
発売日:2020年06月17日、判型:四六、ページ数:288頁、本体価格:3000円

主要目次
はじめに

第1章 テレビ・アーカイブの扉を開く
1 テレビ研究の貧困  
2 はじまったアーカイブ研究  
3 広がるアーカイブ研究  
4 民放もアーカイブの公開を
5 過去を見つめ,未来をつくる  

第2章 記録映画との訣別──吉田直哉と『日本の素顔』
1 録音構成からフィルム構成へ  
2 記録映画との訣別  
3 『日本人と次郎長』  
4 偽装と素顔  

第3章 人間くさいドキュメンタリー──牛山純一と『ノンフィクション劇場』
1 星の時間  
2 日本テレビの第一期生として  
3 『ノンフィクション劇場』の署名性  
4 『ベトナム海兵大隊戦記』放送中止事件  
5 テレビ民族誌『すばらしい世界旅行』  
6 テレビに見た「夢」  

第4章 お前はただの現在にすぎない──萩元晴彦・村木良彦と『あなたは…』
1 物語としてのテレビ  
2 劇映画的手法を超えて  
3 中継の思想  
4 問いかけとしての『あなたは…』  
5 コラージュとしての『わたしのトウィギー』  
6 テレビの一九六八年  

第5章 カメラとマイクという凶器──田原総一朗と『ドキュメンタリー青春』
1 テレビの青春時代  
2 『ドキュメンタリー青春』  
3 決死の「殴り込みコンサート」  
4 若者,ジャズ,テレビ  
5 テレビの自己批判  
6 『朝まで生テレビ!』へ  

第6章 ドキュメンタリーは創作である──木村栄文と『あいラブ優ちゃん』
1 自由奔放,変幻自在な作風  
2 公害告発ではなかった『苦海浄土』  
3 『筑豊の海原』の苦い経験  
4 モヤモヤを吹っ切った『まっくら』  
5 プライベート・フィルムとしての『あいラブ優ちゃん』  
6 美しくて,哀しいものを描きたい  

第7章 真夜中のジャーナリズム──磯野恭子と『NNNドキュメント』
1 ドキュメンタリー冬の時代に  
2 ポスト成長期の自画像  
3 鳥瞰図よりも虫瞰図  
4 女性ディレクターの草分け,磯野恭子  
5 ローカル発,全国へ  
6 再生に挑む人々  

第8章 固定しない精神で──是枝裕和と『NONFIX』
1 プロダクションの作り手たち  
2 原点となった『しかし……』  
3 ドキュメンタリーの再定義  
4 「放送禁止歌」を放送する  
5 記憶と忘却  
6 テレビは終わらない  

第9章 東日本大震災を記憶する──震災ドキュメンタリー論
1 ニュースの忘れ物  
2 想定外の記録  
3 記者たちの戸惑い  
4 被災者に寄り添う  
5 巨大津波の教訓  
6 原発事故への問い  
7 復興への道のり  
8 ジャーナリズムの再起動