記録映画アーカイブ・プロジェクトのワークショップのお知らせです。第9回目となる今回は「フィルムを捨てないで!」と題して、映画の保存活動そのものをテーマに取り上げます。記録映画の保存活動の過程で見つかった貴重な作品の数々を上映するとともに、今後の保存対策について考えます。
これまで記録映画保存センターでは、散逸・消失の危機にある記録映画を保存するために、様々な活動に取り組んできました。なかでも、著作権・所有権者が不明となった「オーファン・フィルム」の存在は、深刻な問題です。
また、これまで映画の保管場所は、主に製作会社、現像所と考えられていました。しかし、記録映画の保存活動の過程で、企画したスポンサー会社が保有している作品も相当数あることがわかってきました。いま会社の片隅で、多くの作品が誰にも知られずに劣化を迎えています。
これらの映画を今後どのように保存し、活用していくのか。ゲストには、芸術文化法・著作権法の専門家である福井健策氏、映画保存の専門家であるとちぎあきら氏をお迎えし、映画保存が抱える様々な課題、その解決策や今後の展望について議論します。
記録映画アーカイブ・プロジェクト 第9回ワークショップ
「フィルムを捨てないで!―記録映画の保存と活用」
日時:2013年1月26日(土)、13:30-17:30(開場は13:00)
場所:東京大学本郷キャンパス 情報学環・福武ホール 福武ラーニングシアター(B2F)
定員:180名
申込:入場無料。事前のお申し込みが必要です。以下のURLよりお申し込みください。
http://www.kirokueiga-archive.com/event/index.html
主催:東京大学大学院情報学環(記録映画アーカイブ・プロジェクト)
プログラム:
13:00- 開場
13:30- 開会
総合司会:丹羽美之(東京大学)
13:35- 映画上映(100分) *プログラムを一部変更しました。
「東京見物〜大正6年の東京〜」(16分、1917年、製作:不明)
*関東大震災前の東京名所案内。サイレント。
「近郊武蔵野」(12分、1940年頃、製作:不明)
*戦前に東京郊外の小金井公園そばにあった牛乳工場案内映画
「東京ヒットソング」(33分、1950年頃、構成:三木鶏郎、製作:日本芸術映画社)
*流行歌にのせてデートするアベックが歌と踊りで紹介する東京
「路地のある街」(11分、1956年、監督:京極高英、撮影:小村静夫、製作:岩波映画製作所)
*東京の家庭からでるゴミがどう収集処理されるかを追う
「This is Tokyo」(28分、1961年、監督:時枝俊江、撮影:藤瀬季彦、製作:岩波映画製作所)
*観光で外貨を得るために作成された海外向けの東京紹介映画
報告1:記録映画の保存活動 村山英世(記録映画保存センター)
15:35- 休憩(15分)
15:50- 映画保存の課題(40分)
報告2:保存をめぐる法的課題 福井健策(弁護士)
報告3:映画保存の実践的課題 とちぎあきら(東京国立近代美術館フィルムセンター)
16:30- 全体討論(60分)
討論者:福井健策、とちぎあきら、村山英世、他
コーディネーター:吉見俊哉(東京大学)
17:30- 終了