映画『チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ』

こんにちは。今回のフィールドレビューは修士課程の田口が担当いたします。
暑くて長い夏が終わろうとしていますが、皆さんはこの夏をどのように過ごしましたか?
私はといいますと、久しぶりに映画館で映画を観ました。『チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ』という映画です。

この映画は、1986年に美幌峠で75年ぶりに行われた「キタキツネのイオマンテ(霊送り)」の映像を補修して作られたものです。ネタバレにならない程度に内容に触れると、「後世に残していくこと」が作品のテーマになっているように思います。作品には祭祀を司る日川エカシや祭祀に参加したアイヌの人々の言葉が記録されていますが、それぞれの言動から「文化を伝承していくこと」の意義や難しさが伝わってきました。

またこの作品を通して、映像に残すことの重要性も感じました。この祭祀は1986年当時ですら知る人が少なくなっていたものなのですが、 この映像が撮られていなければ2022年に生きる私がこの祭祀の様子や当時の人々の感情を知ることはなかったでしょう。大学院の授業や研究室のプロジェクトでアーカイブについて触れてきましたが、改めてアーカイブの重要性を痛感しました。今行われている研究やプロジェクトが色んな人や社会の助けになればいいなぁ、と学生なりに考えた一日でした。

ちなみに今回向かったのは「あつぎのえいがかんkiki」という映画館です。本厚木駅から地下道が通っているので、暑い日でも寒い日でも行きやすいです。初めて訪れたのですが、とても良い映画館だったのでまた行きたいと思います。皆さんもぜひ訪れてみてください。

参考:『チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ』公式HP( https://www.iomantefilm.com/