京都・河合神社に行ってきました

今回のフィールドレビューは、修士課程の大澤が担当します。昨年の夏休みに訪れた、京都の河合神社を紹介したいと思います。

京都には数多くの神社がある中、河合神社を訪ねた最大の目的はこの「鏡絵馬」を見に行くことです。

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まず、私が「鏡絵馬」に出会うまでの経緯について。「鏡絵馬」をはじめて耳にしたのは、去年の夏のことです。大学時代を京都で過ごした私は、「下鴨神社の中に、美人祈願のための神社があるらしいねん。そこの鏡絵馬、見に行ったら絶対おもしろいと思うわ。」と知人に聞いてはいたものの、さして気にも留めていませんでした。

しかし、その後卒業を迎える頃、「鏡絵馬」の写真をSNSに投稿する友人が多数現れたのです。『京都 鏡絵馬』で検索をかけると私の友人に限らず、多くの女性がブログやSNSに写真を投稿していました(特に2012年以降)。では、気になるこの「鏡絵馬」とは?

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下鴨神社の第一摂社である、河合神社には玉依姫命が祭られており「すべての女性が美しくなりたいという願望と安産・育児・縁結びなどをかなえてくださる神さまとして広く知られて」いるようです。そして「玉依姫さまの美麗により、ご自身のお顔を絵馬にたくして奉納し、御祈願」するため、このように絵馬が並べられていました。

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レジ横にはこんなポスターも貼ってありました。

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書き方も丁寧に説明してあり、

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絵馬にかかれた顔を御自身の顔に見立て、美しい女性になれますようにと願いを込めて御自身のお化粧品等でお化粧をして頂き、美しいお顔にしてあげてください。」というように、絵馬に自分のなりたい顔を描くのです。

では、女性は一体どんな顔を願っているのか?多くの絵馬に共通していえることは、

  • ピンク、もしくはオレンジの頬
  • 目は元の絵より大きく強調し、睫毛は書き足す
  • 眉毛をいじってある絵馬は極稀

の3点で、他にも髪の毛や輪郭を描いたり(丸顔に見えないよう?)、黒目を大きく描いたり、と様々な工夫が施されていました(実際に調査・分析を行ったわけではないので正確な情報ではありません)。

私が訪れた日は平日の夕方でしたが、夏休みということもあり、多くの女性客で河合神社はにぎわっていました。休憩処では「美人水」が販売されており、熱心に絵馬を描く方も多くいらっしゃいました。

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最大の疑問:「なぜ「鏡」の形をしているのか?一通り、神社の中を散策し、絵馬をじっくり眺め、女性客を観察したところで、私の頭の中は疑問で溢れかえっていました。「なぜ『鏡』の形をした絵馬なのか?」「なぜ顔のベースを初めから描いているのか?」

これらの疑問は神社内の看板情報では解決できず、神社の方も「存じ上げない」とのことでした。河合神社にまつわる史料は主に方丈記の作者「鴨長明」との記述が主で、「鏡絵馬」の謎は深まるばかりです。

ただ、インターネット上での口コミが参拝客の増加に繋がっていることは明らかにできそうだな、と思いました。書店にあるガイドブックには載っているものの、未だ新聞やテレビといった媒体では取り上げられていないようです。いずれにせよ、絵馬の数からして、「美しくなりたい」と願っている女性は多くいることに違いはないようです。

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これから暖かくなり京都へ旅行して、ちょっと時間余ったな、という時に「鏡絵馬を見に行く」という選択肢があることを頭の片隅において頂ければ幸いです。ついでに下鴨神社や鴨川沿いを散歩して、春になれば川床でおいしいご飯を頂くのも楽しいかと思います。京都の河合神社を紹介させていただきました。2015年もどうぞよろしくお願いします。