フレデリック・ワイズマンのすべて

2011年10月29日から11月25日まで、渋谷のユーロスペースでフレデリック・ワイズマンの大規模なレトロスペクティブ「フレデリック・ワイズマンのすべて」が開催中です。

フレデリック・ワイズマンは、1967年の「チチカット・フォーリーズ」以来、アメリカ現代社会の日常を冷徹な眼で観察し続けてきたドキュメンタリー映画の巨匠です。現在までほぼ1年に1本のペースで作品を発表し続けています。

ワイズマンが取り上げるのは学校や病院、軍隊や裁判所、福祉施設や議会といったどこにでもある施設や組織。しかし、そんなどこにでもある日常風景や普通の人々が、彼の手にかかると、しだいに奇妙なものに見えてくるから不思議です。ナレーションも字幕も音楽もないワイズマンの独特のスタイルが、見る人の思考を触発します。

これまでにも何度か回顧上映が行われてきましたが、今回は日本初公開作品を含めて、36本が一挙に上映されます。その後も全国各地で巡回上映が行われます。

また、これに併せて『全貌フレデリック・ワイズマン アメリカ合衆国を記録する』(土本典昭・鈴木一誌編、岩波書店、2011)も発売されました。ワイズマンのロングインタビューをはじめ、多彩な執筆陣による充実の論考、詳細なフィルモグラフィも収録され、決定版ともいえる一冊です。

「フレデリック・ワイズマンのすべて」公式ウェブサイトはこちら
http://jc3.jp/wiseman2011/

「全貌フレデリック・ワイズマン」の詳細はこちら
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/3/0258130.html