テレビアーカイブ
ドラマやドキュメンタリー、ニュースやスポーツ、バラエティや歌番組、アニメやCMなど、これまでに膨大な数のテレビ番組が制作・放送されてきました。これらの番組はテレビ史の貴重な記録であると同時に、時代を映し出す鏡でもあります。このプロジェクトは、アーカイブに保存されたこれらのテレビ番組を改めて見直し、テレビの歴史を様々な角度から検証することを目的としています。放送局や各種アーカイブ、ライブラリーや博物館と連携しながら、新たなテレビ研究の創造・発信拠点を作り出していきます。
記録映画アーカイブ
いま製作会社の倒産や解散により、戦前・戦後に作られた数多くの記録映画の廃棄や散逸がはじまっています。膨大な数のフィルムが消え去ろうとしています。このプロジェクトは、このように消失や散逸の危機にある記録映画を体系的に収集・保存・公開し、映像を用いた多様な研究・教育の可能性を探ることを目的としています。東京大学大学院情報学環を拠点に、東京藝術大学大学院映像研究科、国立映画アーカイブ、記録映画保存センター等と連携しながら、記録映画のアーカイブ化とその利活用の道を探っていきます。
東日本大震災とメディア
2011年3月11日に発生した東日本大震災は、地震・津波・原発事故によって、各地に甚大な被害をもたらしました。このプロジェクトは、この未曾有の大震災にメディアがどのように向き合い、何をどう伝えたかを明らかにすることを目的としています。放送局や制作者への聞き取り調査、実際に放送された報道・番組内容の分析を通して、東日本大震災の報道を検証します。メディアやジャーナリズムが果たした意義や役割、課題や問題点を明らかにすると同時に、将来の災害報道のあり方についても提言することを目指します。
NHK共同研究
日本最大の映像アーカイブであるNHKアーカイブスには、ドキュメンタリーからドラマ、バラエティまで、これまでにNHKが制作・放送してきた100万以上の番組と800万以上のニュース項目が保存されています。NHK放送文化研究所との共同研究「アーカイブを用いたテレビ・ドキュメンタリー史研究」では、NHKアーカイブスや放送ライブラリーなどに保存されている膨大な数のドキュメンタリー番組を視聴・分析しながら、テレビ・ジャーナリズムの歴史とテレビ・アーカイブ研究の新たな方法論を探っていきます。
NNNドキュメント共同研究
「NNNドキュメント」は日本テレビ系列の29局が制作する報道ドキュメンタリー番組です。1970年の放送開始以来、50年以上にわたって現代の日本社会を見つめ続けてきました。民放・NHKを含めて、日本のテレビで最も長い歴史をもつドキュメンタリー番組です。これまでに制作された本数は2500本以上。数多くの優れた番組、個性的な作り手がここから生まれました。このプロジェクトは「NNNドキュメント」のアーカイブ整備を支援すると同時に、番組を研究・教育に活用するための様々なパイロット研究を行っていきます。
TBS×東大 テレビの学校
TBSが2018年に設立した企業内大学TBSグループユニバーシティ(TGU)は、放送局で働く人々を対象に、放送倫理から番組制作のスキルまで多彩な講座を開講し、放送人の積極的な学びを支援しています。このプロジェクトでは、TBSのアーカイブを活用してこのTGU向けのモデル授業やモデル教材を開発します。メディア環境が大きく変化する中、放送局と大学がタッグを組んで、次世代のジャーナリストやクリエイターを養成するための方法論について研究します。テレビの世界に新しい学びの文化を作り出すことを目指します。
メディアプロダクション
東京大学情報学環メディアスタジオは、ジャーナリストや映像クリエイターを目指す学生のためのメディア制作スペースです。情報学環本館の約100㎡のスペースに、防音性に優れ、クロマキー撮影も可能な「撮影/録音スタジオ」、マルチカメラ収録やライブストリーミング配信にも対応した「調整室」、快適な編集環境を備えた「編集室」が設置されています。このプロジェクトでは、第一線で活躍するジャーナリストや映像クリエイターたちとも連携しながら、メディアスタジオを活用して、新たなメディア制作の拠点を作り出していきます。