特任研究員の丁智恵です。今回は、2016年度冬学期に開講された「メディアスタジオ実習Ⅱ」の授業の番組収録の様子をお伝えいたします。この授業は、NHKの『あさイチ』などを担当する現役プロデューサー・渡邊悟さんに講師としてお越しいただき、テレビ番組の制作に関する現状や、番組の企画を提案し、最終的には情報学環に新設されたメディアスタジオで番組収録を行うというものです。
番組の企画に関しては一人一人から多様なアイデアが提案されました。東大ならではの特性を生かし、幅広い層の人々に楽しんでもらえるような番組ができないか、渡邊さんのアドバイスを受けながら議論し、最終的に出てきたアイデアが、「東大幼稚園」でした。
この企画は、東大の院生が、自身の専門領域に関して幼稚園児にわかりやすく教えるというもので、渡邊さんのアドバイスと受講者各自が出したアイデアを元に立ち上げられました。実際の番組制作と同様に、ディレクターやプロデューサー、カメラマンなどの役割分担をし、メディアスタジオでリハーサルを何度か実施しました。初めて挑戦する本格的な番組作りに皆さん緊張しつつも、回を重ねるごとに議論が白熱してきました。
最終的には、脳科学を専攻している東大の院生が幼稚園児二人に専門分野について説明し、園児に研究の面白さについて理解してもらうという形式になりました。脳の研究に関する説明が大人にとっても興味深かったり、また園児の意外なリアクションに笑いが起こることもあったりと、様々な階層の人々が観て楽しめる内容になりました。
実際に番組制作を経験してみて、受講生たちからは本格的な機材を活用して収録できたことが良かった、回を重ねるごとにチームワークが強くなっていったのを感じた、というコメントが寄せられました。また、番組をもっと面白いものにするのはどうすればいいのか、という点についても反省点を含めて積極的に意見が出されました。
2017年度もドキュメンタリー番組制作やスタジオ番組制作に関する授業やイベントが開講される予定ですので、関心を持った方は是非ともご参加下さい。