こんにちは。今回のフィールドレビューは、博士課程の朱が担当いたします。今回は、私が実践しているストレス軽減法についてお話ししたいと思います。
最近、タイ語の勉強にハマっています。将来的に役に立つからという理由で学んでいるわけではなく、私の研究も、少なくとも現時点ではタイ語を扱う予定はありません。それでも、言語を勉強する時間そのものが、研究論文や博士論文の執筆で生じるストレスを和らげてくれているように感じています。
研究室内でも、言語学習に取り組んでいる方が増えているようです。中国語やドイツ語を勉強している方がいると聞きましたし、「言葉の勉強は進捗を実感しやすい」という声もありました。また、他のコースの友人にこの話をしたところ、「私も韓国語を勉強しています!ストレスが解消される感じ、すごくわかります」と言われました。
では、なぜ言語学習はストレス軽減につながるのでしょうか。気になって関連する学術論文も探してみましたが、明確に答えてくれる研究はなかなか見つかりませんでした(探し方の問題かもしれませんが…)。むしろ、言語学習によって生じるストレスをどのように軽減するかを扱った研究の方が多く目につきました。
そこで、なぜ自分にとって言語学習がストレス解消につながっているのかについて、私なりに考えてみました。今のところ、理由は大きく三つあるように思います。
①明確な進捗を実感できること
博士論文の場合、書き進めるにつれて文字数は増えていきますが、「確実に前進している」と実感するのは簡単ではありません。一方、言語学習は、特に初期の段階では、単語を覚える、少し話せる、書けるようになるといった小さな変化でも、はっきりと進捗を感じやすいと思います。
②「一応、勉強している」という安心感があること
研究から離れて休憩することは大切ですが、完全に娯楽に振り切ると、「論文はまだ終わっていないのに…」と、かえって罪悪感やストレスを感じることもあります。言語学習は研究と直接関係しないものの、「一応勉強している」という感覚が保たれるため、「時間を無駄にしていない」という安心感につながります。その結果、研究から一時的に距離を置きつつも、新たなストレスを生みにくい休憩になっているのではないかと感じています。
③費用をかけないことで、気楽に続けられること
タイ語を勉強するにあたって、語学教室に通ったり、特定の教材を購入したりはしていません。主に、インターネット上の無料コンテンツを利用しています。例えば、YouTubeやBiliBili(中国の動画配信サイト)で動画を視聴し、Geminiのライブ会話機能を使ってAIと会話しています。こちらが単語を並べるだけでも、Geminiは会話として成立する返答を返してくれるため、「伝わった!」という感覚だけでも十分に達成感があります。
ただし、あまり真面目に取り組み過ぎると、かえって新たなストレスが生じてしまいます。そのため、机に向かって勉強することはせず、家事をしながら動画を見たり、気が向いたときにGeminiと会話したりする程度にとどめています。
それでも、つい先日、「せっかくだから」と思って検定試験を受けてみました。結果的には合格したのですが、合格自体は普通に嬉しかったものの、試験後には「この問題、答えを知っていたはずなのに」と、間違えた箇所を悔やむ気持ちが強く残りました。ストレス解消のつもりで始めたことが、少しプレッシャーになってしまった瞬間でした。バランスを取るのは難しいですね…

自分なりのバランスを見つけ、それを保つことが大事ですね。論文執筆も、引き続き頑張っていきたいと思います。