こんにちは!M1の陳です。先日、秋学期の授業を全て終え、ようやく春休みに入りました! ということで、今回のフィールドレビューは、M1の振り返りとして、いくつかのエピソードをお話していきたいと思います!
M1の一年間は授業がメインの生活でした。社会情報学コースに所属していますが、学府では他のコースの授業にも参加することができます。そのため、異なる分野の知識に触れる機会も多く、毎日新鮮な発見があります。特に、授業のディスカッションでは、様々なバックグラウンドを持つ学生たちと意見を交わすことができ、自分では思いつかないような視点を得ることができました。異なる専門分野の知識や考え方に触れることで、視野が広がるだけでなく、自分の研究テーマについても新たな角度から考えるヒントをもらうことができたと感じています。
授業以外では、研究室のゼミにも参加しています。自分はまだまだ学ぶことが多い立場ですが、丹羽研の先輩方はいつも優しく、面白い話を交えながら色々と教えてくださいます。雰囲気が暖かくて居心地の良い研究室ですが、ゼミの時間になると真剣モードに切り替わり、時々鋭い意見や質問も飛び出します(笑)。研究に対する姿勢が求められる場面では、厳しさもありますが、それがあるからこそ学びが深まるのだと実感しました。こうしたメリハリのある環境の中で、研究に向き合う姿勢や考え方を鍛えられました。
この一年間で一番大変だったのは、研究計画の変更でした。入学前に考えていた研究計画では、必要な分析資料を集めるのが難しいことが分かり、大幅に計画を変更することに。ゼミ発表が迫る中での決断だったので、「本当に間に合うのかな…?」と焦るばかりでした。発表準備に追われ、ほぼパソコンの前に張り付いているような生活になってしまいましたが、そんな時、友達が図書館で必要な本を借りてきてくれたり、差し入れをくれたりして、周囲のサポートのおかげで乗り越えることができました。研究は一人で進めるものだと思っていましたが、行き詰まった時は、支えてくれる仲間の存在も非常に大事だと実感しました。
M1の夏休みには、丹羽研の恒例として、自分の研究で参考になる洋書を一冊選び、その内容をゼミで発表するという宿題があります。私はドイツの学者のベックによる『個人化の社会学』という本を選びましたが、この本では、「個人化が進む社会では、人は自らの選択に責任を持たなければならない」、「自由な選択が与えられる一方で、その選択を迫られることで不安が増す」、「グローバル化により、人のアイデンティティが複雑化し、個人化がさらに進む」といった内容が語られています。
この本を読んだとき、自分の留学生としての経験と重なる部分が多いと感じました。異国での生活は自由である一方、その分すべての選択が自己責任であることや、母国の価値観と日本の価値観の間で揺れ動くことがよくあるという心境は、まさに本の中で述べられている内容と一致しています。ずっとモヤモヤしていた気持ちが本を通して言語化され、「自分が感じていたことは、こういうことだったのか!」と納得できた瞬間、感動して思わず泣いてしまいました。自分の経験と研究がこんな形でつながることもあるんだと気づき、学問の奥深さや面白さを改めて感じました。
こうして振り返ると、この一年は涙も笑いもあり、非常に濃い時間だったと思います。先生や先輩方、そして学府で出会った友人たちに恵まれ、多くの学びと刺激を受けながら過ごすことができました。M1での学びは、単に自分の研究を進めるためだけではなく、社会を見る視点を養う機会にもつながっていました。自分が今どのように社会と関わっているのか、これからどのように社会と関わっていきたいのかを深く考えさせられる時間でもありました。
これから大学院を目指している方もいるかもしれませんが、自分の経験や思いを大切にしながら学び続けることで、必ず得られるものがあると思います。みなさんが好きな学問に出会えることを心から願っています!