今回のフィールドレビューを担当する修士課程1年の劉です。最近発表の資料を調べていた時、ある古雑誌関連のブログを発見しました。前も何回か検索であたったことがありましたが、さすがにブログでは研究価値について判断するのが難しいから、資料として採用せずに放置していました。ただ、今更毎日真面目にブログを更新する人がいるなんて珍しいかと思い、見知らぬ作者を尊敬してしまいます。
ブログが流行ったのは私の小学校の頃でした。小学生から大企業まで、全員が一気にブログを書くようになりました。そして風に吹かれたように、一気に辞め、ミニブログ、つまりWEIBOに切り替えたのは、私の中学校の時でした。
私はブログを書いたことはありません。もともと日記を書く習慣はありませんし、公の前に自分の思いを晒すことが楽しいとも思いません(根性がないとも言えようが…)。ただ、見知らぬ人と日々の思いや発見をシェアする行為が興味深いと思います。また、他人の生活を日々覗くことは悪趣味としか思いませんが、ブログなら文書や写真を時間順で追うのは時にちょっと楽しく思います。
この度フィルドレビューを担当することになって、改めて前日見たブログのことを思い出します。これだけ古雑誌について毎日文を綴る作者で、ただ者ではないと感じ、ニックネームを覗いてみたら、以前に読んだ本の作者であることが分かりました。ブログの作者でありながら、有名なフリーライターで古雑誌のコレクターでもあります。
さらに調べてみたら、ブログの文章はまだ書いたばかりのように見えますが、作者はすでに何年か前に他界したことがわかりました。もともと古雑誌に興味があった私ですが、ついつい作者の闘病記を何ヶ月分見てしまいました。若くて難病にかかったのはとても不幸ではあるが、最期まで思いをブログで綴り、後世へ残せるのはある種の幸運だと思います。このブログのおかげで出会うはずのない私と作者は違う時空で遭遇し、語ることができました。
見知らぬ人の日々を追い、見知らぬ人の思いで感動する、これこそブログの魅力でしょうか。古雑誌を手にする時も似ている感じがします。時代を超えた古い雑誌に載っている文字の主は、歴史に名前が刻まれていないかもしれませんが、その時のささやかな思いだけは紙面に残り、時代を超えて読まれています。
ある大正時代の演劇雑誌では、一人の俳優志望の読者が投書しました。俳優を目指して本気で努力したいと思いますが、親に反対され、友人の扶養で演劇の道へ進み、成功を収めたいという覚悟でした。編集者はその読者に対し、家族の支持をなくし俳優になることは難しいし、親孝行するのも俳優以上の成功であるから、もう少し考えましょうとコメントを発しました。その読者も編集者も今はこの世にいないでしょうが、人情味のある会話が古雑誌の投書欄に残り、無名の人の悩みが百年後の今に伝わっています。