トークイベント「『独裁』とは何か」

今回のフィールドレビューは、今枝翔太郎がお送りします。11月15日(水)駒場キャンパスで開催されたトークイベント、「『独裁』とは何か」に参加して来ました。

登壇者:石田勇治(東京大学教授、ドイツ近現代史専門)、長谷部恭男(東京大学名誉教授、憲法学専門)

登壇者それぞれの専門分野の見地から、ナチス・ドイツの政権掌握に至った過程や憲法の役割についての議論がなされました。ヒトラー率いるナチ党がどのように政権掌握に至ったのかについて、他勢力との関係や法律制定を巡る動きを踏まえて理解することができました。

ドイツ史を踏まえて現代日本の政治についても議論が行われ、政権を担う現職政治家がヒトラーを引き合いに出して「手口を学んだらどうか」という趣旨の発言をしたことなど、近年の事例についても興味深い話を聞くことができました。

議論の題材は80年以上前の出来事や法律ですが、現代日本にも通ずることが多く、大変考えさせられました。会場には学部生から年配の方まで、幅広い年齢層の人が出席しており、ナチス・ドイツや独裁、緊急事態条項といったことについて、いかに多くの人が関心を持っているかが実感できました。

興味を持った方は、お二人の著書『ナチスの「手口」と緊急事態条項』(集英社新書)を是非読んでみて下さい!