今回のフィールドレビューは、博士課程の松本が担当します。ここでは、目下取り組んでいる戦時中の記録映像に関する内容調査について報告します。
戦時中の学校生活の様子を記録した16ミリフィルムが、2013年から14年にかけて継続的に、岐阜県立大垣北高等学校から発見されました。発見の現場に立ち会った経緯もあり、現在、発見された7巻をハイビジョンでデジタル化するとともに、内容調査を実施しています(科研費課題番号:14J096 現代日本における「コミュニティ・アーカイブ」の実践と理論に関する往還的研究)。
【写真】発見されたフィルム7巻のうちの1巻
デジタル化した映像には、大垣北高等学校の前身の1つであり、現在の大垣市藤江町に当時の校舎があった、旧・大垣高等女学校の学校生活の様子が克明に記録されていました。おそらく昭和13年から18年頃まで複数年にかけて撮影されたものと推定しています。そのうちの1巻の内容を簡単にご紹介します。
【画像】英霊を奉る護国霊苑造営のために勤労奉仕を行う女学生 昭和14年 大垣市北大垣(現・護国霊苑)
【画像】修学旅行先の奈良で建国奉仕に従事する女学生 昭和14年 橿原神宮
【画像】歩兵第68連隊を訪問し機関銃の実弾演習をする女学生 昭和14年ごろ 岐阜市日野
その他6巻にも、当時の学校生活が窺い知れる貴重な映像が残されていました。目下、大垣北高等学校をはじめ、近隣の大学や研究者、まちづくり機関などにご協力いただきながら、当時の在学生(90〜95歳前後)に映像を視聴いただきながら、戦前・戦中・戦後の暮らしぶり・街の様子など、聞き取り調査を行っています。
【新聞記事】
戦前の学校生活克明に 旧大垣高等女学校映像フィルム発見(岐阜新聞2016年9月4日朝刊)
前畑秀子さん泳ぐ戦前の映像、岐阜・大垣北高文化祭で公開 射撃訓練や千人針縫う女学生も(毎日新聞2016年9月5日中部夕刊)
平泳ぎ前畑さんの映像公開 戦前の女学校、学生生活も(産経フォト2016年9月5日web版)
ひきつづきフィールドレビューをとおして、他の6巻の内容の紹介や、内容調査の進捗をご報告していきたいと思います。