丹羽研究室では、ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント』(日本テレビ系列、日曜深夜)を教育・研究に活用するためのプロジェクトが、2013年度から立ち上げられています。今回はこれまでの取り組みを振り返りつつ、本年度に完成した「研究用NNNドキュメントアーカイブ」のシステムについて簡単にご報告したいと思います。
1970年から放送が開始された『NNNドキュメント』では、その時代の日本の姿や社会で起こる様々な出来事が、日本テレビ系列の全国の制作局によって長年にわたり記録されてきました。プロジェクトの初年度には、この『NNNドキュメント』を東京大学の学部生向けの授業「マス・メディア論」に用いて、教育現場で活用する取り組みが行われました。
授業の各回では見応えのある『NNNドキュメント』の名作が1本ずつ上映され、その制作者の方々に番組の制作背景などを講義して頂きました。毎回、会場を交えての質疑応答が行われ、最終回には東大生数名を交えたミニシンポも開催されるなど、多くの学生の皆さんが積極的に講義に参加して現代日本とマス・メディアに対する考えを深めてくれました。
2014年度には「NNNドキュメント共同研究」が本格的に発足し、日本テレビの制作者の皆さんや学内外の研究者の方々が参加する研究会が組織されました。この年は特に研究利用の前段階として、番組アーカイブシステムの構築と研究テーマの検討という2つの課題について様々な意見が交わされました。
2014年度の後半にはシステムの構築が本格的にはじまりました。約半年をかけてシステムのソリューションとネットワークを作成し、2015年5月、ついに「研究用NNNドキュメントアーカイブ」が完成しました。
現在では、このシステムをもとにした番組視聴によるデータの整理や研究への利用が、既に開始されています(システムは研究会内部での限定公開です)。今後、本研究会では研究活動を活発化させ、その成果をシンポジウムやワークショップなどの場で一般公開していく予定です。正式なお知らせはWebサイト上に随時掲載していきますので、皆様お誘い合わせの上、ぜひ足をお運び下さい。
【システムのトップ画面】