こんにちは!今回のフィールドレビューは博士課程の柳が担当します。突然ですが、みなさんは犬派ですか?それとも猫派ですか?私は断然犬派です。
犬と猫の違いについては多くの方がもうご存知ではないかと思います。犬は人懐っこくて、アウトドアで、群れで生きていく習性があり飼い主をリーダーとして従う(じゃない犬もいますが)とても賢い可愛い動物だというイメージですね。一方、猫は自由奔放で独立していて、インドアで、ツンデレで、飼い主にも一定の距離感を保つマイペースで可愛い動物だというイメージがあります。
このような犬と猫の違いはもちろんそれぞれの種の習性からなるものですが、このようなイメージがどんどんメディアによって強化されていくのではないかと疑問に思いました。そこで今回はCMのなかに犬と猫がそれぞれどのように登場しているかについて少し考察してみたいと思います。
CMには私たちが気づいていないだけで、多くの動物が登場しています。ソフトバンクのお父さんやワイモバイルのふてニャンみたいに、「主人公」として登場することもありますが、それ以外の場面でも実は(言い方はあまり良くないですが)「小道具」としてしれっと登場することが多いです。ペット関連用品のCMなど、動物の登場が必然的なCMと前述のソフトバンクのCMのように動物が主人公として登場するCMは除き、純粋に「小道具」として登場するCMをいくつかピックアップして、実際の事例をあげながら見ていきたいと思います。
🐶犬「みんな大好き!」
まず、犬が登場するCMです。犬は、主にファミリーと一緒に登場する傾向がみえます。一人暮らしのひとよりは、まだ幼い子どものいる家庭でよく飼われているようです。最近はもはやペット=家族の一員として受け入れられるようになり、子どもと犬があるちょっと豊かで幸せな生活をおくる中流家庭の描写に効率的であるからだと考えられます。次のCMはすべて犬と家族の幸せなひとときを描いています。
また、犬は猫と違って散歩などで外に出ることができるので、犬を媒介した人と人のコミュニケーションや外での活動を強調する場面で登場する特徴も目立ちます。なかでもかんぽ生命は「犬の散歩」をキー場面に、いろんなシリーズを展開しています。犬の散歩中に人と出会い、いろんな話をするきっかけにもなるということが特徴的です。
🐱猫「ひとり最高!」
続いて、猫が登場するCMをみていきたいと思います。犬とは違って猫は一人暮らしのひとと一緒に登場する傾向がみえます。また、その飼い主も大多数が若い女性であります。猫の少し気まぐれでマイペースで、独立しているという習性が楽しい一人暮らしの生活を謳歌する女性のイメージとマッチし、そのようなイメージをより引き立てるからだと考えられます。
また、猫は犬と異なってテリトリーをもつ動物であり、散歩などで外に出ることはなく、家でひとりゴロゴロすることを好みます。そのことから、「家」という場所を強調したいときも猫が登場することがあります。次のふたつの事例は両方「部屋の快適さ」を訴求しています。
ここまで、犬と猫がそれぞれCMでどのように登場しているかを見てみました。犬はやはりアクティブで外に出かけられるということもあり、育ち盛りの子どものいるファミリーに、猫はマイペースで自由奔放ということで女性の一人暮らしとよくマッチされる傾向がありました。
これは、実際の飼育状況とは異なる、あくまでもCMが犬と猫をそれぞれそのようなイメージの「小道具」として使っていることに過ぎません。しかし、「言われてみればそうだ!」と共感できるように、全く根拠のないわけではなく、社会のあり様を切り取り、うまく表現していると言えます。犬派と猫派に関する本格的考察の記事もあるのでご興味のある方はぜひ。
最後に、我が家の(厳密にはおばあちゃん家の)可愛い可愛いわんこの自慢をして締めたいと思います。もうすぐで10歳になるおじいちゃんですが、私の目にはまだまだ可愛い子犬にしか見えません。長生きするんだぞーー!