デジタル・アートから見た人と宇宙

“In this world, you must be the change you want to see.”
—Mahatma Gandhi

こんにちは、修士1年の祝です。皆さんはインスタグラムなどのSNSで、チームラボのデジタルアート・ミュージアムの写真を見かけたことがあるでしょうか?私は先週の金曜日、夏インターンシップの見学で初めてお台場にあるチームラボボーダレスを訪ねました。

チームラボボーダレスは、2018年にできた展覧会で、その一つの特徴は、「境界がない」ということです。それぞれの作品は一応各自の部屋にありますが、明確な境界がないので、各作品は自分のエリアから出て移動し、ほかの作品の影響を受け合い、たまには他の作品と混ざり合うこともあります。

また、多くの作品の内容は「時」という概念から影響を受けています。部屋に入る時間帯によって、全然違う演出を見ることができます。「時」は人がコントロールできないものなので、たとえどんな偉い人がどんなに「特定の演出を鑑賞したい」と要求するとしても、その観たい演出が現れる特定の時間を待つしかありません。

その空間にいると、この世の中の人と宇宙の相互作用を感じました。一見関係の無いことも、実はつながっていて、明確な境界がありません。たとえば、もし私たちがプリントの時、両面プリントの選択をしたら、紙を節約することができて、紙作りのために伐採される樹の数も減らすことができます。こうすると、鳥や森の中で生活する動物たちにとってもっと居心地良い家ができます。私たちのささやかな行為は、ほかのだれかの幸福と苦難に繋がっています。

チームラボボーダレスの作品では、「境界のない」作品の並べ方のほか、(1)観客が長期間あるところに立つと、足もとでだんだん綺麗な花が咲いたり、(2)手で壁の中を飛んでいる蝶に触れると、蝶(いのち)が死亡する、などのインタラクティブなメディアシステムによって、こういう人と宇宙の相互作用を表現しています。

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(「運動の森」というエリアの作品。机や壁の上の小道具の位置を変えることによって、画像の中の人や動物の「生活」に影響を与えられる)

また、「時」という概念を強調するのは、広大な宇宙からみれば人という存在は非常に小さいなものだという考えを表現するためなのではないか、と私は考えています。人は、自分の行動で世界を変えることが可能ですが、その可能性は限られています。そのため、世界を変えるプロセスの中では、自然や宇宙への畏敬も必要です。

以上は、私が今回作品を見て、考えたことです。チームラボボーダレスだけでなく、多くの美術展を見る時、インスタ映えの写真しか狙わない人が最近多いそうです。しかしインスタグラム用の写真を撮影するだけでなく、完全に作品に浸って、その世界観を感じるのも展覧会を楽しむ方法の一つだと思います。

感じたことには、正解がありません。「There are a thousand Hamlets in a thousand people’s eyes.」どんな思いでも自分にとって有意義なものになると私は思っています。皆さんも次回何かの展覧会に行く時、ぜひ写真撮影をした後、作品の世界に浸って自分の心やその世界のことを再発見してみてはいかがでしょうか。

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(同じ「運動の森」にある作品。作品の上をジャンプすることによって、宇宙を作ることができる)