記録映画のアーカイブを活用して、映像を用いた多様な研究・教育の可能性を再発見する連続ワークショップ(研究上映会)。第9回目は、戦時期の日本で「文化映画」の話題作を手がけた芸術映画社の作品を取り上げます。
1930〜1940年代の日本では、映画国策の一環として記録映画を含む「文化映画」というジャンルが設定されました。この文化映画には、戦地や日本軍の様子を描いて戦意昂揚させる作品が目立った一方で、直接的には戦争を描かず、国内の社会状況を取り上げる作品も多く生み出されました。
今回は、その中でも、イギリスのドキュメンタリー映画理論を導入しつつ、さまざまな庶民の生活を社会問題として記録した芸術映画社の作品を上映します。ゲストに日本のドキュメンタリー映画史に詳しいマーク・ノーネスさんをお招きして、当時の文化映画が戦争以外に何を描こうとしていたのかについて考えます。
記録映画アーカイブ・プロジェクト 第9回ミニワークショップ
「戦争を描かなかった『文化映画』――戦時期の芸術映画社の作品から」
日時:2017年9月29日(金)18:00〜20:30(開場は17:30)
場所:東京大学本郷キャンパス工学部2号館93B教室
定員:80名(当日先着順・申し込み不要・参加無料)
*満員になった場合、ご入場できないことがありますのでご了承ください。
上映:『雪国』(1939年/38分/芸術映画社)、『或る保姆の記録』(1942年/35分/芸術映画社)
*ほかに参考として、1939年の「朝日世界ニュース」、日本プロレタリア映画同盟『土地』(1931)の一部を上映予定
お話:マーク・ノーネスさん(米ミシガン大学教授)
聞き手:森田典子(東京大学大学院学際情報学府博士課程/丹羽美之研究室)
主催:記録映画アーカイブ・プロジェクト(東京大学情報学環丹羽美之研究室)
お問い合わせ:
記録映画保存センター(運営窓口)
Tel:03-3222-4249
Email: center_otoiawase@kirokueiga-hozon.jp