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『愛の不時着』から見る理想の恋愛像

作者: Zhu Rui | 2021年3月02日Posted in: フィールドレビュー

こんにちは。今回のフィールドレビューを担当いたします、修士2年の祝と申します。修士論文を書き終わった後、やっとずっと前から観ようと思ったドラマを観る時間ができました。その中の一本は、2019年Netflixで大人気になった韓流ドラマ『愛の不時着』です。このドラマから、多くの現代女性が求めている理想の恋愛関係が見えました。

(1)対等な男女関係 

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(Netflix『愛の不時着』より)

従来の恋愛ドラマの中、シンデレラのような恋愛ファンタジーを描くものが多いです。貧乏で普通の生活を暮らしてきた女の子は、王子様のような上流階級の男性と恋に落ち、幸せになる、のようなストーリーがメロドラマの定番です。しかし、『愛の不時着』の中では、このような男女主人公の間の大きな社会階級の差が見えていません。男性主人公のリ・ジョンヒョクは北朝鮮の有為なる士官であり、彼の父親が北朝鮮政府で高い官についている人です。女性主人公のユン・セリは、韓国の財閥令嬢でありながら、ファッションブランド「セリズチョイス」を創設し、自らの高い能力でビジネスの世界で戦う経営者でもあります。このように、『愛の不時着』の中の男女主人公は、対等な家柄とキャリアを持っています。

(2)最初から高い感受性を持つ男性主人公

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(Netflix『愛の不時着』より)

また、従来の恋愛物語の中、多くの男性主人公は、公的な機関で権力と威信を持っているものの、感受性が貧しくて周囲の人の感受を尊重しない者です。そういう男性主人公は、ストーリーの進行と伴い、だんだん女性主人公の女性らしい性的刺激と母性から影響を受けて、最終的に男性らしく権力と威信を持つ男だけでなく、女主人公の感情的なニーズに応えられる感受性を持つ男になるのが定番です(例えば、恋愛小説の『高慢と偏見』と人気ドラマの『花より男子』です)。

一方で、『愛の不時着』の中、男性主人公は、最初から高い感受性を持ちます。インスタントコーヒーが飲み慣れてないセリの文句を聞いて、ジョンヒョクは、翌朝、早く起きて、家中を隈無く留学時代買ったコーヒー豆を捜し、セリのためにコーヒーを豆から煎りました。彼は、ドラマの中の悪役達からセリの身の安全を守るだけではなく、このように最初から彼女の生活の中の細かいところからいろいろな世話もしてきました。さらに、彼は、様々な面でセリをケアしているけれど、セリから何のリターンも求めません。彼女が韓国に帰りたいと思っている時は、無理矢理に愛する彼女を自分の側に束縛することはしません。韓国に来た後も、ガードマンとしてセリを守っていて、彼女のキャリアに何の干渉をしませんし、自分より稼げる働く女性としてのセリを否定しません。このように、愛する女性を守っている一方、彼女の意志を尊重して、自分の支配下に置こうとしない男性主人公が『愛の不時着』の中で描かれています。

(3)相手から精神的な支援をもらって、自分の成長につながる恋愛関係 

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(Netflix『愛の不時着』より)

このドラマの中で、男性主人公より女性主人公への金銭的な支援がほとんど見えません。その代わりに、ジョンヒョクは、精神面でキャリアウーマンのセリに莫大な支援をあげました。北朝鮮に帰国した前、ジョンヒョクは、セリへのメッセージを携帯に打ち込んで、予約送信しました。「おはよう。朝食抜きはよくない。りんごだけでも食べて。」「食事をする時は一人ではなく、仲間と楽しく美味しく食べること。」このようなメッセージで、本来忙しくて生活が不規則で、また、部下とのつきあいが良くない、セリに自身を愛する方法と生活を愛する方法を教え、彼女を周囲の人に愛されていて生活を楽しめる人に変えました。

ここで表現しているのは、独占欲や支配欲でもなく、愛する女性に対する浅い金銭的な支援でもありません。愛する女性をより良い人にするための精神的な支援で、心の底から彼女が幸せになってほしい気持ちです。

私はあまり韓流ドラマを観ませんが、『愛の不時着』が大好きで、三日間で全話を観終わりました。この中で描写された恋愛関係ではなく、偏見を破って温かくて国境を越えた友情にもすごく感動しました。本当に心を温かくするドラマですので、まだ観てない恋愛ドラマが好きな方におすすめです。