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六本木アートナイト!

作者: Takeda Shoko | 2019年6月25日Posted in: フィールドレビュー

修士課程の武田です。皆さん、「六本木アートナイト」をご存知ですか?

生活の中でアートを楽しむという新しいライフスタイルの提案と、大都市東京におけるまちづくりの先駆的なモデル創出を目的としたアートの饗宴で、今年は5月25日から26日にかけて開催されました。2009年にスタートし、年々多くの商業施設や美術館を巻き込んで発展を続け、今年は10回目を迎えています。

六本木ヒルズや東京ミッドタウン、新国立美術館や周辺の多くのギャラリーで、屋内外問わず様々なジャンルのアート作品が展示される街を挙げてのアートのお祭りといったところです。アート「ナイト」とは言うものの、ほとんどの作品は2日間にわたって展示されるので特に夜のイベントというわけではありません。私も、26日土曜日の昼間に観てまわりました。

普段からわたしは、美術鑑賞を趣味にしているのですが、いつも観るものはルネッサンス以降のヨーロッパ絵画、または陶芸作品や陶器などのうつわ類といった古典的な作品が中心です。しかし今回は趣向を変えて、いわゆるインスタレーションと呼ばれるような体験型のアートや、形式にとらわれない前衛的な作品が多く集まるアートイベントに参加してみました。

これらの前衛的なジャンルに対しては、実のところ、普段から慣れ親しんでいる古典的な芸術に比べて、どこか軽いものであったり奇をてらったものであったりするイメージを抱いていて、あまり得意ではありませんでした。

しかし、今回ふと興味をそそられてのぞいてみると、印象に残る作品も多く、興味深くイベントを体験することができました。

なかでも印象に残ったのは、六本木ヒルズのウエストウォークの吹き抜けに展示された、大西康明による「Circulation」という作品です。シワ加工された透明なポリエチレンの膜を天井から重層的に吊り下げた作品で、人が周囲を通過することで起きる微弱な風にもふわふわと動き、見えない空気の動きを可視化するという試みでした。何より、吹き抜けという空間の縦の高さがうまく利用されていて、例えば地上階から見上げる場合と、4階から見下ろす場合とでは全く異なった姿に見えるのです。このような空間の利用の仕方を含めた表現方法は、美術館にお行儀よく陳列されている古典的な美術品では成立し得ず、商業施設を利用した、街にとけこんだアートイベントならではだと感じました。

他にも屋外に展示されたオブジェや、観る人が触れたり書き込んだりすることで完成していく作品など、五感をフルに使って大人も子供も楽しめるイベントでした。毎年、5月〜6月の週末に開催されていますので皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか。