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川崎市市民ミュージアムのアルバイト

作者: Suzuki Maki | 2015年8月01日Posted in: フィールドレビュー

こんにちは、鈴木です。今回のフィールドレビューでは、私が現在アルバイトをしている、川崎市市民ミュージアムについて報告させて頂きたいと思います。

皆さんは、川崎市市民ミュージアムをご存知でしょうか。この施設は、1988年に「都市と人間」というテーマを掲げて開設された、美術館と博物館の複合文化施設であり、その特色は、写真・漫画・ポスター・映像などの複製芸術を収集・保存しているという点にあります。

日本では、1980-90年代を通して、この川崎市市民ミュージアムのように、複製芸術を取り扱うギャラリーや美術館がオープンしていきました。例えば、写真を扱う施設として、この時期に建てられたものとしては、横浜美術館や東京都写真美術館などが挙げられます。

こののち、2000年代になると、京都国際マンガミュージアムやせんだいメディアテークなどの、テーマに特化した様々な施設が建設されていきました。

さて、現在、日本で漫画に関する展示を行ったり、関連資料を収集したりする施設の主なものとしては、以下のようなものが挙げられます。

・米沢嘉博記念図書館(2009年開設、東京都)

・川崎市市民ミュージアム(1988年開設、神奈川県)

・京都国際マンガミュージアム(2006年開設、京都府)

・北九州市漫画ミュージアム(2012年開設、福岡県)

・大阪府立中央図書館国際児童文学館(1984年開設、大阪府)

この他にも、地域活性化の一環として建設された施設や、漫画家個人の記念館など、全国各地にさまざまな漫画関連の施設が点在しています。

このなかでも、明治期から昭和戦前期の漫画に関する資料を、多く(一人の作家に偏ることなどがなく)収集しているのは、川崎市市民ミュージアムと京都国際マンガミュージアムであると言えると思います。

現在私は、この川崎市市民ミュージアムの漫画関連資料の、資料整理のアルバイトをしています。ここには、雑誌や単行本、原画など貴重な資料が多く保管されており、これらの資料を活用した展示もなされています。

川崎市市民ミュージアム・京都国際マンガミュージアムに保存されている資料は、収集の経緯などを鑑みても、現在の漫画史を構成する基礎となっていると考えられます。ここに収集された資料を活かして、日本漫画史が整理されてきたといえるということです。

そうした整理作業の、ある程度の明文化が達成された現在において、今後求められる作業のひとつは、①どのような種類の資料が、いかなる経緯で(いつ・どこで・誰によって)保管されてきたかを明らかにし、②それらが現在の漫画史の見えかたをどのように形作っているのかを明らかにするということではないでしょうか。こうした作業は、漫画史のみならず、1980年代以降の日本の美術館史においても重要なものになると思うのです。