博士課程


萩原めぐみ(HAGIWARA MEGUMI)

修士課程では、戦後の総合雑誌における平和思想の変遷を明らかにし、総合雑誌と思想の相関関係を考察しました。博士課程では修士課程での研究を引き継ぎ、戦前から続く総合雑誌も視野に入れ、総合雑誌という場において語られた日本の平和思想をより深く研究していきたいと考えています。今ではそれほど注目されなくなった平和思想ですが、この研究を通して多様な平和の概念を明らかにしていきたいです。


松本篤(MATSUMOTO ATSUSHI)

近年、「コミュニティ・アーカイブ」と総称される市民参加型のアーカイブ実践が全国各地で萌芽しています。地域文化の記録・記憶を次代に継承することを目的としたこの草の根的実践は、今後ますます注目を集めていくでしょう。このようなローカルなメディア実践は、私たちの「生」をどのように変容させていくのでしょうか?テクノロジーは、ヒトの能力や認識とどのように結びつくのでしょうか?これらの問いに、人類学的な視点から接近していきたいと思います。


鈴木麻記(SUZUKI MAKI)*日本学術振興会特別研究員

修士課程では、戦前・戦時期の漫画家集団に焦点を当て、大正期と戦時期の漫画家の活動の論理の、連続性と非連続性について考察しました。博士過程では、修士課程の問題意識を引き継ぎつつも、比較対象に写真や漫画映画を加え、当時の漫画が置かれていた文化状況を、より広く見ていきたいと思っています。現在、グローバル化する「MANGA」に注目が集まっています。戦前の表現活動が持っていた意味を、当時の文化状況と照らし合わせることで明らかにし、今後の研究・活動に資するものとしていきたいと考えています。


瀬尾華子(SEO HANAKO)

映像メディアは、20世紀のはじめから人々の社会的な営みを記録してきた重要な資料です。私は、「映像が何をどのように記録してきたか」ということついて一貫した興味・関心を持っています。修士課程では、『PR映画にみる原発の表象——平和利用・安全性・共存共栄』というテーマで、PR映画の収集とその分析を行いました。ここで学んだ方法論をいかしながら、博士課程では対象をテレビ・ドキュメンタリーに移して研究活動を行っていく予定です。 


王楽(WANG LE)*日本学術振興会特別研究員

中国での学部時代は日本文学と金融学を専攻していました。丹羽研における修士課程の二年間は専攻を大きく変更し、異なる視座から問題を深く考えられることを目指しました。具体的には、農村部に行われた満洲映画の巡回上映活動に焦点をあて、満州国における映画利用の国策宣伝システムを明らかにしました。そして博士課程では、映画上映と政治コミュニケーションとの接点に着目し、どのように野外における巡回上映活動が政府の国策宣伝制度に利用され、満州国時代から冷戦期ひいては20世紀へと引き継がれてきたかについて、考察を行っています。


森田典子(MORITA NORIKO)

ドキュメンタリーや記録映画といわれるような記録を主軸とした映像表現に関心があり、それらの日本における歴史を研究テーマとしています。修士課程では、戦時期の芸術映画社というプロダクションの製作活動を事例に、日本で「ドキュメンタリー」という方法論が実践されていった過程を考察しました。博士課程では、これらの実践がどのような形で戦後へと展開していったのかを研究していきたいと思います。