博士課程


松本篤(MATSUMOTO ATSUSHI)

近年、「コミュニティ・アーカイブ」と総称される市民参加型のアーカイブ実践が全国各地で萌芽しています。地域文化の記録・記憶を次代に継承することを目的としたこの草の根的実践は、今後ますます注目を集めていくでしょう。このようなローカルなメディア実践は、私たちの「生」をどのように変容させていくのでしょうか?テクノロジーは、ヒトの能力や認識とどのように結びつくのでしょうか?これらの問いに、人類学的な視点から接近していきたいと思います。


瀬尾華子(SEO HANAKO)

映像メディアは、20世紀のはじめから人々の社会的な営みを記録してきた重要な資料です。私は、「映像が何をどのように記録してきたか」ということついて一貫した興味・関心を持っています。修士課程では、『PR映画にみる原発の表象——平和利用・安全性・共存共栄』というテーマで、PR映画の収集とその分析を行いました。ここで学んだ方法論をいかしながら、博士課程では対象をテレビ・ドキュメンタリーに移して研究活動を行っていく予定です。 


王楽(WANG LE)

中国での学部時代は日本文学と金融学を専攻していました。丹羽研における修士課程の二年間は専攻を大きく変更し、異なる視座から問題を深く考えられることを目指しました。具体的には、農村部に行われた満洲映画の巡回上映活動に焦点をあて、満州国における映画利用の国策宣伝システムを明らかにしました。そして博士課程では、映画上映と政治コミュニケーションとの接点に着目し、どのように野外における巡回上映活動が政府の国策宣伝制度に利用され、満州国時代から冷戦期ひいては20世紀へと引き継がれてきたかについて、考察を行っています。


森田典子(MORITA NORIKO)*日本学術振興会特別研究員

ドキュメンタリーや記録映画といわれるような記録を主軸とした映像表現に関心があり、それらの日本における歴史を研究テーマとしています。修士課程では、戦時期の芸術映画社というプロダクションの製作活動を事例に、日本で「ドキュメンタリー」という方法論が実践されていった過程を考察しました。博士課程では、これらの実践がどのような形で戦後へと展開していったのかを研究していきたいと思います。