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ワークショップ「再認識されたラジオの役割」

作者: Niwa Yoshiyuki | 2011年11月01日Posted in: 東日本大震災とメディア

日本マス・コミュニケーション学会の2011年度秋季研究発表会(2011年11月12日、東海大学湘南キャンパス)で、臨時災害FMに関するワークショップが開催されます。興味のある方はぜひご参加ください。

「再認識されたラジオの役割ー臨時災害放送局「りんごラジオ」の経験からー」

司会者:丹羽美之(東京大学)
問題提起者:高橋厚(りんごラジオ)
(企画:放送研究部会)

2011年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方を中心に、これまで経験したことのない大きな被害をもたらした。電気・ガス・水道・情報などの各種ライフラインは長期間にわたって途絶え、多くの人々が避難生活を余儀なくされた。そうしたなか、被災地で次々に開設された臨時災害放送局が、きめ細かい被害状況や安否情報、生活情報や応援メッセージを地元住民に提供し、大きな注目を集めた。このワークショップでは、東日本大震災における臨時災害放送局の取り組みを振り返りながら、大災害時にラジオが地域メディアとして果たす役割について議論したい。

今回の震災後に生まれた臨時災害放送局のひとつ、宮城県山元町の「りんごラジオ」(80.7MHz)は、地震から10日後の3月21日に開局した。元東北放送のアナウンサーだった高橋厚さんが中心になり、新潟県長岡市の「FMながおか」(2004年10月の新潟県中越地震で同じく臨時災害放送局として活躍したコミュニティFM)から支援協力を受けて開局にこぎ着けた。当初は町役場1階のロビーの一角に仮スタジオを設置し、住民のボランティアスタッフが交代で番組の制作や運営にあたったという。安否情報や生活情報から、被災者へのインタビュー、ゲストの応援メッセージまで、地元住民に寄り添った放送を続け、地域メディアとしてのラジオの力を再認識させるきかっけになった。

また「りんごラジオ」は、地元に住む外国人に向けて、英語、韓国語、中国語での外国語放送も行った。このほか、インターネット上で同時に番組を流すサイマル放送を始めるなど、ネットとの連携にも積極的に取り組んでいる。その一方で、制作スタッフの確保、放送内容の充実、運営資金の工面など、さまざまな困難もつきまとう。実際、財政上の問題などから、早々と廃止や運用休止にいたった臨時災害放送局もあり、「りんごラジオ」も今後の放送継続に向けた模索がはじまっている。

このワークショップでは、「りんごラジオ」代表で、その設立の中心メンバーでもある高橋厚さんにお越しいただき、「りんごラジオ」開局までの経緯、実際の放送の様子や内容、「りんごラジオ」が地域で果たした意義や役割、今後の行方や展望について問題提起して頂く。そもそも臨時災害放送局とはどのような仕組みなのか。その制作や運営を誰がどのように担うのか。災害時に地域で求められる放送とは。放送内容は時間の経過とともにどう変わっていくのか。他のメディアとの連携は。財源はどうやって賄うのか。このワークショップでは、臨時災害放送局「りんごラジオ」の経験を出発点にして、大災害時に地域メディアとしてのラジオが果たす意義や役割、今後の課題や展望について参加者とともに議論したい。

日時:2011年11月12日(土)、16:00-17:40
場所:東海大学湘南キャンパス、14号館14-202教室
申込:研究発表会参加費として4000円が必要です(会員・非会員とも)

日本マス・コミュニケーション学会のウェブサイトはこちら
http://wwwsoc.nii.ac.jp/mscom/

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